長い梅雨が明けた日
昼休み。
教室では優弥達がいつ来るか分からないからと、お弁当を持って適当な空き教室に来た私と琴美。
窓に近い席に落ち着くとお弁当を広げた。
「いただきます」
「いただきます」
昨日と打って変わって食欲旺盛な私はしっかりと食べようとするが、すかさず琴美に本題をぶつけられた。
「それで、何で理乃ちゃんは濡れて帰る羽目になったの?」
授業中に散々悩んだ結果、本当の事を話そうと決意した。
中途半端に誤魔化して後々話が噛み合わなくなったら余計に面倒臭いから。
「それは…私が自主的に一人で帰っただけだよ。河野は私が怒るような事してないよ」
別に河野を庇うつもりは無い。
本当の事を話すだけ。
ただ、河野の好きな子の話には触れない。
それだけだ。