長い梅雨が明けた日

「多分、河野は私がキレたから怒ったと思ったんじゃないかな?」

これで誤魔化せただろう。

そう思ってお弁当に手を伸ばした。


目の前の琴美は私の話を聞いて納得してくれたらしい。

「そっか。…理乃ちゃん、いつも河野くんと噂されるの嫌がってたもんね」

「うん。だから風邪は私の自業自得だから」

「そっか…」


納得してくれた琴美に密かに安堵してお弁当を食べ進めた。


でも琴美は何か考えてるのかあまり箸が進んでいなかった。


河野に怒ってた事、悪かったなと思ってるのかな?


なんて脳天気な事を考えてた私。

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