長い梅雨が明けた日

「ん?提出してないだけ?進路は書いたの?」

豊永がまた問いかけてきた。

「書いたけど持って来るのをずっと忘れてるだけだよ」

「なんだ。それならみっちゃんに言って用紙もらってその場ですぐ書けばいいじゃん」

「まぁそうだね」

みっちゃん先生に提出しろと言われて『明日持って来ます』と繰り返し言ってた自分を思い出した。

…進路がなかなか決まらないと思われてたってこと?

単に持って来るのを忘れてただけなのにな。

「ってか、なんでここで4人でいるの?
なんか相談事?」

「トヨ、用が済んだならさっさと行けよ」

「うっわ、ヒドくない?俺だけ邪魔者扱いかよ?」

豊永は優弥の首に腕をまわして絞めるような格好で絡みだした。

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