長い梅雨が明けた日

それでも屈託なく弟の話しを続けながら足と左腕の処置をしてくれる彼女。

そんな彼女に琴美と似た雰囲気を感じて気が緩む。


軽い捻挫に膝と左腕の擦り傷。

全ての処置を終えた彼女に礼を告げると徐ろに言葉をかけられた。


「あの…白井先輩。
前に河野先輩に聞いたんですけど…
先輩達は付き合ってないって本当ですか?」

「…付き合ってないよ。だから安心して」

聞き慣れた問いかけに、いつものように答える。

「…え?あ、別にそういう意味でなくて」

私の答えに戸惑う彼女。

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