長い梅雨が明けた日


皆んな過保護過ぎではなかろうか…。


一人で帰ると言った私がひょこひょこと軽い捻挫の足を庇って歩くのを見て、長谷川部長が自分の自転車を使えと自転車の鍵を手渡してくれた。

外に出て涼んでいた男子副部長の小松が「また雨が降ってきたー」と騒いでるのを聞いた香菜が河野に声をかけてるのが見えた。

それを見て、慌てて体育館を出て部室に駆け込んだ私は腕の痛みも無視して手早く着替えを済ませる。

脱いだシャツを無造作にバッグに詰め込んでいると部室の外から声が聞こえた。

「理乃、中にいるのか?」

優弥の声だった。

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