長い梅雨が明けた日

でも、自覚のない理乃は告られても本気にせずからかわれたと怒る始末。

それを場所も選ばずに平気で俺に話す。


幼いながらに俺は理乃に告った奴らが可哀想だなと思いながらも、俺だけが理乃の側にいられる事に気付いた。

それからは理乃を一人の女の子と意識しだして、幼い頃のように俺が理乃を守ってやろうと決めた。

兄貴らのように中学に入れば身長なんて伸びると信じていた。


でも、中学には健二がいた。

高身長でイケメンで根が真面目な健二は中学に入るとすぐに女子に告られた。

相手の子が好きだったわけではないが、女子の言った「友達から付き合って」という言葉を馬鹿正直に受け取った結果、翌日には彼女持ちになっていたらしい。

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