長い梅雨が明けた日
そんな健二が理乃に好意を抱いた。
それからは女子に告られても「好きな子がいる」と言って断っていたのを知っていた。
だからすぐに理乃と健二の噂が流れた。
俺と理乃が噂されたのはほんの1年足らずだ。
でも、健二との噂は消える事が無い。
健二が告られる度に噂が濃くなる事を理乃だけが知らない。
いや、もしかしたら聞いたかもしれないけどその類の話を理乃が本気で聞いていないだけだろうな。
それに健二との噂話は俺にとっては都合が良かったのかもしれない。
相手が健二だから。
理乃に興味を持った男は健二の存在に気付くとすぐに諦めていった。
だから俺にとっては都合が良かった。