長い梅雨が明けた日

そうわかっていても俺にはもう止められなかった。

こうして理乃に触れてしまったから。

安心しきって寝てる理乃の額にキスをする。

制服の襟を少し引っ張って俺がつけた印を確認する。
これで理乃が俺を意識してくれるのなら何度でもしてやる。


なんて。
自分がこんなに独占欲の強い男だとは思わなかったな。


理乃が恋愛に興味を持って欲しいと思ってはいるが、その相手が俺以外の男だと知った時はどうなるんだろうな…。


自分で自分の行動が読めないーー

だから

健二でなく俺を選んでくれーー


そう願いながら理乃の頬に接吻(くちづけ)を落とした。

< 162 / 346 >

この作品をシェア

pagetop