長い梅雨が明けた日
* * *
ちょうど中2の今頃の時期。
テスト期間で部活が休みだった私は、優弥と勉強するから一緒に帰る予定だった。
皆んな早々に帰って行く中、私は窓際の自分の席に座ったまま次々と窓を流れる雨をぼんやりと見ていた。
『優弥、先生に捕まってるのかな?』
昼休みに優弥が来て
「放課後、帰る前に部活の顧問とこに顔を出すから教室で待ってろ」
と言われていた。
既に教室には私以外の誰もいなかった。
そんな時に現れたのは河野だった。
「あれ?まだ帰らないのか?」
「私は優弥待ち。河野は?テスト期間中なのに女子に呼び出されてたの?」
「なんだよそれ。今日は俺が日直だって黒板に書いてあんだろ。
そういや優弥はまだ職室にいたな」
「そうなんだ?ありがとう」