長い梅雨が明けた日

その特別な感覚が心地よかった。


それからすぐに優弥が迎えに来てくれて一緒に降り続く雨の中を帰った。

約束通り、優弥の家に行ってリビングで勉強をした。

途中、部活の話をしたりしていた時。

優弥に突然言われた。


「…お前、裏では健二のこと呼び捨ててたのかよ?」

呆れたような口調で言われて気付いた。

「え?あれ?今、私そう言ってた?」

さっき、健二本人に言った時は胸が締めつけられるような感覚だったのに。

自然と呼んでいた自分に気付いていなかった。

でも、優弥の顔を見たら何故かさっきの健二とのやりとりを素直に言えなくて…。

「優弥の呼び方が移ったんだね」

笑って誤魔化した。

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