長い梅雨が明けた日

同じ部活の彼

 * * *


優弥の誕生日の翌日。



「理乃、聞いた?優弥くんの話」

部活後、部室内でバッグから制服を取り出した時に話かけられた。

「優弥の?何の話?」

制服の半袖シャツを着る前にボディシートで身体の汗を拭きとる。

「優弥くん、B組の深谷さんに告白されたんだって!」

「…へー。マジでモテ期なんだ…」

思わず感心した。

本当にモテ期なんてものが来るんだな。
ってことは、私にもいつかモテ期が来るのかな?

なんて考えていたのだが。


「……驚かないの?」

拍子抜けした顔で聞かれた。

「なんで?
生意気だと思うけど優弥にモテ期が来てたのは知ってたよ?」

あれだけチョコを貰ってたんだから、一人くらいは本気で告白してもおかしくはないだろう。


「モテ期とかそんなんじゃなくてっ!
B組の深谷さんだよ?」

「……深谷さん?」

深谷さん……。

私の知る範囲で深谷さんと聞くと思い当たるのが、去年同じクラスだった深谷さんしかいなかった。

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