長い梅雨が明けた日

そう考えて、河野に安易に返事したことを恥じた。

馴れ馴れしく名前を呼びあっていたらきっと河野の彼女も気にするだろう。


だから、

翌朝、河野に「おはよう」と挨拶されたタイミングで言った。


「おはよう河野。あのさ、昨日の事なんだけどやっぱり今まで通りにしたいんだ」

周りには他のクラスメイトもいるから、万が一聞かれても差し支えない言葉を選んできた。

朝一で絶対言おうと決めてきた言葉。


そんな私の声を聞いた河野が一瞬だけピクッと動いたように見えた。

朝からクラスメイトに爽やかな笑顔で挨拶してた河野が私に振り返って確認した。

「昨日って…帰りに俺が頼んだやつ?」

…頼み事?になるの?

「あー多分。…ほら、河野の彼女に怒られそうだし、変に誤解されたくないからさ」

「……了解」

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