長い梅雨が明けた日
その記憶がフラッシュバックしたのと同時に思い出した先日の河野の告白。
『(好きな子が)いるよ。だから何だよ』
だから失恋確定だよ。
もう、笑うしかないよね。
恋愛なんてわからないと言い張っていた私が、実は既に初恋を済ませてたなんて。
ほんと笑っちゃう…
でも、それで良かったのかもしれないな。
この時、恋に気付いていたらきっと今の私と河野の関係にはなれなかっただろう。
噂が流れるくらい親しくなれなかったと思う。
まぁ噂されても否定するくらいに、女と意識されてないんだけどね。
「さてと…」
脚に気合いを入れて立ち上がる。
捻挫も擦り傷も失恋も傷はまだ浅い。
大丈夫。
もう平気。
河野は友達だから。
そう自分に言い聞かせてお風呂に向かった。