長い梅雨が明けた日

捻挫よりも膝の擦り傷の痛みのせいでいつもより手早く入浴を済ませた。

とりあえず足首に湿布だけでも貼ろうとリビングに向かったら…。

「あれ?なんでいるの?」

Tシャツにスウェット姿の優弥がいた。
 
「飯食い終わったから」

なんで?と問いかけるような表情の優弥がスマホ片手にソファに腰掛けていた。


「それじゃ、優弥くんよろしくね。私もお風呂に入って来るから」

「了解っす」

「理乃、ちゃんと手当てしてから寝なさいよ」

さも当然のようにお母さんが優弥と私に声をかけてリビングを出て行った。

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