長い梅雨が明けた日
…お母さんは何とも思わないのだろうか?
いくら幼馴染みとはいえ、高校に入ってからはずっと家に顔を出さなくなった優弥が先日から毎日家に入り浸っていることを。
まぁ、きっかけを作ったのは私だが…。
鍵を忘れて家に入れないからって優弥のとこに行ったからなぁ。
仕方ないか。
ハァと諦めのため息を一つついてから優弥の横に腰を下ろした。
「ほら、足出せ」
「…」
テーブルには既に用意されていた救急箱。
湿布を手にした優弥に促されたので、無言で左足を優弥の膝の上に乗せた。
「お前、今日課題出たか?」
話しながら捻挫の処置をしてくれる優弥。
「あー…完全に忘れてた」
「お前、進路希望もまだ出してないだろ」
「あ。そうだった」
何やってんだよ、と呆れ顔の優弥は足首の処置を終えると大きめの絆創膏を取り出した。