長い梅雨が明けた日


部屋に戻るとすぐにベッドに横たわる。

「…お前、ハナから課題やる気無ぇんだな」

「うん」

枕元で充電していたスマホを手にしながらモゾモゾと布団の中に潜り込む。

課題なんて怪我を理由にすれば何とかなるだろ。
そんなことを考えながらスマホをチェックすれば、女子部のグループチャットが騒いでいた。

主に私を心配してる会話だが、何故か優弥の名前がいっぱい見えた。

「…優弥、今日体育館に来たの?」

「は?
…あ。健二に呼び出されたからな。でもお前が部室行ったって聞いてすぐに部室行ったけど」

思い出したように話す優弥の声。

「急になんでそんな話?」

「優弥が格好良かったって言ってる」

「はあ??」

体育館に駆け込んだ優弥が私を心配してすぐに部室に走った、らしい。

その姿が格好良かったとチャット内で絶賛されていた。

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