長い梅雨が明けた日
「……」
『……』
お互い無言でこの状況を整理しようとするがどうしていいのか分からない。
「とにかく俺と優弥に同じ質問したのは理乃に何か考えてることがある、のか?」
『そうだな…。そうなると理乃が泣いた理由が健二だけとは限らなくなるか…』
「…優弥は理乃に何かしたんだろ?」
『……したな』
まさか俺と同じようにキスしかけたのか?
そんな事聞けるはずもないし、聞きたくない。
「まさか豊永」
『それはねえだろ』
「だよな」
俺の冗談を速攻でツッコむ優弥につい笑ってしまった。
結局、理乃が泣いた理由は分からないが
理乃が俺等にした質問から考えて、理乃の中で何かが変わってきてるのは明白だ。
「俺は遠慮しないからな」
『して欲しいくらいだけどな』
お互いにまだ言えないことはあるが
ある程度に優弥は俺を認めてくれてると分かって気分が良くなって電話を切った。