長い梅雨が明けた日
「昨日思い出したの?」
「うん。だからその事を考えて上の空で部活したらこのザマになったよ」
自分に呆れて笑う私を琴美が心配そうに見ていた。
「…あのね、私、多分中2の時に河野を好きだったみたい」
「…え?」
「でもね、その時はそんな自覚なくて…。
昨日思い出すまでずっと忘れてたの」
そう言って中2のあの日の話しをした。
河野に名前を呼んでいいかと聞かれて承諾したくせに翌日には断ったこと。
河野に名前を呼ばれて特別に感じた思い。
でも、今まで河野にそんな感情を持ってなかった事。
それと、この前雨に濡れて帰った日の事も。
噂になりたくないと思った気持ちは同じだけど、あの時本当は河野に好きな子がいると聞いた事。