長い梅雨が明けた日

「河野の好きな子が私の知ってる子らしいから、河野の好きな子に誤解されたくないから走って一人で帰ったんだけどね…
今思えば…
それは建前で、本当は単純にその場から逃げたかっただけだと思う…」

「……」

「河野と仲良くなった時には、河野も女なんて面倒くさいって言ってたからずっとそうだと思ってたんだよね。
でも好きな子がいるって聞いて逃げちゃったんだろうな…」

「…理乃ちゃん、それって…」

心配そうな琴美が口を開いた。

でも私は自分の気持ちを琴美に知ってほしいだけ。
だから琴美に構わず話し続けた。


「その日、優弥の家に行ったでしょ?
偶然なんだけど部活の子に優弥が深谷さんに告られた話を聞いてたから、優弥にも河野と同じ質問したの」

「……」

「優弥も好きな子がいるって言ってたの。
だからね、私は優弥と河野の応援する事にしたんだ」

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