長い梅雨が明けた日

すると少しして玄関チャイムの音がした。

多分、琴美が優弥達を呼んだんだな。


珍しく部屋のドアをノックした優弥が現れた。

「話は終わったのか?」

「うん。もう寝るよ」

既にベッドに横になった私はそのままで優弥に返事した。


「じゃあ私帰るね。また何か話したくなったら何時でもいいから電話してね」

優しく微笑んだ琴美が立ち上がった。

琴美と代わって優弥が私の側に来てまた熱を計る。

「ありがとう琴美。
あ、河野。今日も私の代わりに琴美を送って行ってくれないかな」

「…了解。ちゃんと休めよ」

「うん」

河野に一言だけ返すと目を閉じた。


河野が部屋を出て行く後ろ姿を見ないようにーー

< 216 / 346 >

この作品をシェア

pagetop