長い梅雨が明けた日
すると少しして玄関チャイムの音がした。
多分、琴美が優弥達を呼んだんだな。
珍しく部屋のドアをノックした優弥が現れた。
「話は終わったのか?」
「うん。もう寝るよ」
既にベッドに横になった私はそのままで優弥に返事した。
「じゃあ私帰るね。また何か話したくなったら何時でもいいから電話してね」
優しく微笑んだ琴美が立ち上がった。
琴美と代わって優弥が私の側に来てまた熱を計る。
「ありがとう琴美。
あ、河野。今日も私の代わりに琴美を送って行ってくれないかな」
「…了解。ちゃんと休めよ」
「うん」
河野に一言だけ返すと目を閉じた。
河野が部屋を出て行く後ろ姿を見ないようにーー