長い梅雨が明けた日

「…なんか俺に言いたいことあるのか?」

思いきって聞いてみた。

「別に」

速攻で会話終了。

…やっぱり怒ってるのか。

これじゃ何を聞いても同じ返しになるだろうなと諦めかけた。

「…聞きたいことならある」

「……何?」

突然の質問にまた無意識に身構える。

また理乃が走って帰った理由を聞かれるのかと思ったからだ。


でも神田の質問は予想外のことだった。


「バスケ部のマネージャーの1年生のこと」

「は?」

「可愛い女の子だって聞いたけど?」

理乃の呼び方の話からなんで宮下の話になるんだ??

「…」

つい、聞かれた質問の意図を考え込んでしまった。

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