長い梅雨が明けた日

目の前で寝込む理乃の頬に触れる。

自分の体温より低い俺の手が冷たく感じたのか、無意識に俺の手にすり寄る理乃。

その頬が熱いから枕元に落ちている氷嚢を首筋に当てた。


そこから見えた俺の独占欲の印。

まだ薄く跡がついているが消えかかってるのがわかる。

またしたら起きるかな?
起こしたくないけど消えかかってる印をもう一度はっきりと見えるようにしたい。

とはいえ病人に、しかも寝てる隙にするのは…。
俺のほうが歯止めがかからなそうだからな…。

熱でうなされてるだけなのにたまに洩れる吐息が妙な気分にさせる。


……ヤバいな……

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