長い梅雨が明けた日
「多分もう少ししたら母さんがうどん持ってくるから」
「うん。少し寝る」
そう言った理乃は動くことなく俺の胸に寄りかかったまま。
「…理乃?」
「…ん」
覗き込むと半分寝落てる理乃が微かに返事をした。
俺の胸で安心して眠る理乃が可愛いが、
その反面俺を男として意識していないように思えた。
…これが健二だったらどうなるんだろうな。
理乃と話を終えた神田に呼び出されるまで
健二と俺の部屋でテスト勉強をしていたが、お互いほとんど話をしなかった。
多分、昨日の電話でお互い言いたい事を言えたから。
健二を気にかけながら俺は胸に抱く理乃をそっとベッドに戻した。