長い梅雨が明けた日
ベッドに横たわる理乃を見て昨日の事を思い出した。
幼少期は普通の女の子のように何かあるとすぐに泣いた。
俺も兄貴らにからかわれて泣いた時に
『男のくせに泣くな』
と言われた。
それを横で聞いてた理乃は次第に人前で泣かなくなった。
女の子のくせに…。
小学校の入学時に泣いていた女の子が、
小学校を卒業する頃には隠れて一人で泣くようになっていた。
ただ元が泣き虫だったから、一人で泣いているのを俺はよく見かけた。