長い梅雨が明けた日


見ていられなかった。

『寝付くまで居てやるから…』

そう言って後ろから薄い布団ごと理乃を抱きしめたーー



そんな理乃を思い出した。


いつもより精神的に弱っている理乃。

一人で抱え込んでいる理乃だから余計に甘やかしたくなる。

出来るなら俺の胸でそのまま寝かしてやりたいし、俺も理乃を抱きしめていたかった。

でも熱がまだ下がらない状況じゃ、抱きしめて余計に体温を上げてしまうな。

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