長い梅雨が明けた日

「白井先輩、傷はどうですか?」

「もう平気。あの時は手当てありがとね」

宮下さんに声をかけられて話をした。

「宮下、なんの用?」

「あの、部長がまだ来てなくて…。顧問からコレを渡すように頼まれたんですけど…」

田沢先輩と宮下さんが話を始めたので、私と長谷川先輩も部内報告かと彼女が持ってきたプリントの束を覗き込む。

どうやら、部員に配る練習メニューが書かれたプリント。
1年の宮下さんが、1年生分のプリントを配るから残りは2年、3年の分だけ。

「ちょうど良かったな。女子部は何人だっけ?」

田沢先輩と長谷川先輩が男子部と女子部にプリントを分けた。

「理乃よろしくね」

私も早速、長谷川先輩から女子部2年のプリントを受け取った。
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