長い梅雨が明けた日

琴美に返事してから慌て出す。

「あの、琴美。この前のこと気にしないでね」

あの時、つい言ってしまった宮下さんのこと。
それだけは言わなきゃよかったと後悔した。

「気にしてないよ。顔を知らなかったから確認しただけだよ」

琴美は微笑みながら話題をすぐに切り替えてくれた。

「それより理乃ちゃん。今日の帰りだけど予定無いなら一緒にどこかで勉強しない?」

「いいよ。何処がいいかな?」

二人で寄り道の相談をしながら教室に戻った。

席に着いてもそのままファミレスにするかと悩んでいると声をかけられた。

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