長い梅雨が明けた日

「おはよう理乃ちゃん、神田さん。何の相談?勉強会なら俺も入れてくれない?」

豊永が私と琴美の間に割って入ってきた。

「…豊永が?」

珍しい誘いに驚いた。

「俺も優弥に勉強教えてもらう予定なんだ。優弥には礼に飯を奢る話になってたから何なら理乃ちゃん達も一緒にどうかと思ってね」

「優弥も?」

優弥と一緒に勉強というだけで少し食い気味になってしまった。

でも、豊永が一緒というのが迷うところだ。
河野以上に女子に人気がある豊永だから。

一緒にいるところを見られると後々面倒になりそうな気もするし…。

何より、琴美と二人でやるつもりだったから即答出来なかった。

「放課後までに考えておいてね」

豊永は言うだけ言っていつもの男子グループの輪に戻って行った。

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