長い梅雨が明けた日
「大丈夫だよ。たまに部員の子らも彼女を連れて来るんだから。でも女の子だけで来たら2階は通せないけどね」
気さくに笑いながら了承してくれた店長。
「1年からスタメンの黒川と豊永が女の子連れて来たのは初めてだからね。サービスしてやるよ」
「飯は勉強の後にするからとりあえずビールかな〜」
豊永が冗談を言ってる間も琴美は物珍しそうに店内を見回していた。
2階の和室は何畳あるのかわからないけど広くて土足厳禁になっていた。
靴は階段横にあるビニール袋に入れて自分で管理するシステム。
和室には鉄板が埋め込まれたテーブルが6つ並んでいた。
今は私達のテーブルの他に、
2つのテーブルにサッカー部員がいる。
一つは3年生男子、もう一つは私達と同じ2年男子。