長い梅雨が明けた日

変わりゆく兆し

　＊　＊　＊


「お好み焼き美味しかったね！」

「本当！それに優弥がそんな器用だとは思わなかった！」

「…先輩らにやれって言われて仕方なくやってたからな」

「俺も最初やらされたけど優弥のがうまく返すからそのうちに食う専門になったよ」

幼馴染みだけど優弥とお好み焼き屋に行った記憶がなくて知らなかった。
まさか、優弥にお好み焼きを焼いてもらう日が来るとは思わなかったから。

「琴美ちゃんも案外器用なんだね？」

「琴美は自分でお弁当作ったりするからね」

優弥の新たな一面を知ったり、琴美の手際の良さを見られて楽しかったお好み焼き屋を出て帰路につきながら話に花を咲かせていた。