長い梅雨が明けた日
「あれ?」
豊永が何かに気付いて足を止めた。
つられて私達も足を止めて豊永が見つめる先を追った。
その視線の先にはコンビニがあった。
道路の向こう側にあるコンビニを見ると
制服姿の宮下さんがちょうどコンビニから出てきたのが見えた。
「宮下さんだ。
豊永も宮下さんを知ってるの?」
「宮下さん?
いや、俺が見たのは店内の男が…」
店から出た宮下さんはドア前で立ち止まってスマホをいじっていた。
その時にドアが開いて背の高い制服姿の男子が出てきた。
「あ。やっぱり河野だ」
豊永が呟いた。
店から出た河野は宮下さんと話しながら歩き出した。
そしてふと顔を上げた時、多分私達に気付いたっぽい。
「あいつ、こんな時間まであの子とどこにいたんだ?」
道の向こう側で立ち止まった河野に手を振る豊永が呟いた。