長い梅雨が明けた日



「…優弥、あとで優弥の部屋に行っていい?」

突然自分の口が開いた。

「…いいわけないだろ。勉強しなかったのはお前なんだから自分でどうにかしろ」

「なんか酷くない?
サッカー部の人には教えるくせに私にはあんまり勉強見てくれないとか」

「俺はお前の家庭教師じゃねぇんだよ。
お前んとこも赤点3回取ったら退部なのは同じだろ?俺は部員を減らしたくねぇの」

「ちぇっ。(ゆき)ちゃんがいたら教えてもらえたのにな」

「お前は教えてもらえないと勉強しないのかよ…。兄貴はお前が受験だから教えてただけだ」

「…幸ちゃん元気かな…
私が会いたがってたって言っといてね」

「そんなん知るかよ」

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