長い梅雨が明けた日

優弥の好きな子。


そのことがずっと頭の中から離れなかった。

何度考えても思い当たる子がいない。
でも優弥が嘘ついてるようにも思えない。


あ。

琴美は優弥の好きな子を知ってるんだったな…。

だからといって聞く気はないけど。

でも気になる…。


そんな矛盾を考えながら、シャワーを止めて浴室を出た。

考えてもキリがないな…。

頭の中は無限ループでいても身体は勝手にいつものルーティーンをこなす。

バスタオルで全身を軽く拭いてから
身体に巻きつけて、髪を乾かそうと鏡の前に立つ。


ガタッ!



その時、誰もいないはずのリビングの方から音がした。


お母さんかな?

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