長い梅雨が明けた日
「な、何?」
「お前、一人で家にいるときそんな格好で彷徨くのかよっ」
そんな格好…。
言われて自分の格好を見下ろした。
あ。
バスタオル…。
「ちょ、これはリビングで物音がしたから確認に」
「だとしても!
家の鍵もかけてなくて風呂入るとか、
そんな格好で様子見に来るとかっ…
俺じゃなくて空巣強盗とかだったらどうすんだよっ!」
「空巣…?そんな大袈裟な」
大袈裟すぎる話につい笑ってしまった。
「お前、いい加減自分が女だって自覚しろよっ」
「そんなの言われなくてもしてるよっ」
優弥が苛つくような言い方をするから
私もちょっとムッとして言い返した。
その言い方が悪かったのか、優弥が近付いて強引に私の手首を掴んだ。