長い梅雨が明けた日
「お前、マジで俺の事何とも思ってねぇんだな」
「…え?」
優弥が今何と言ったのか理解しようとした。
でも優弥に抱き寄せられて思考停止。
……あれ?
「…優弥?何ともって」
再び気になった言葉をそのまま声に出したけど、優弥が無言で私の肩に顔を埋めた。
チクっ
首元に感じた小さな痛み。
その痛みのせいで思い出した同じ痛み。
「ちょっと優弥っ!」
自分じゃよく見えない位置だったから忘れていた。
またからかわれたと思って優弥から離れようとしたが、腰にまわった腕がビクともしなかった。
「なんでまた」
「いい加減に気付けよ」
私の肩から顔を上げた優弥の表情は悲しげで、低い声が私の言葉を遮った。
気付け…?
何を…?