長い梅雨が明けた日
"犯す"の意味がすぐにはわからなかったけど
またさっきみたいにキスマークをつけられるかと思ってドアを叩くのをやめた。
「…分かった。着替えるからそこにいて」
とにかくはっきりさせたい。
優弥が私に何を気付いてほしいのか。
家の鍵をかけなかっただけで何をそこまで怒らせたのか。
着替えてちゃんと話をしたくて、
タオルを外して速攻で下着とパジャマを身に着けた。
これで大丈夫だよね?
ぱっと鏡に映った自分に問いかける。
そんな自分の首元に目が留まる。
着たばかりのパジャマの襟を広げて確認した。
以前と同じ場所に赤く跡が残っていた。
こころなしか前回よりもはっきりと目立っているのは私の気のせいかな…?
広げた襟を戻して、一度大きく深呼吸を吐いた。