長い梅雨が明けた日

すると、頭に何かが乗った。

タオルだと気付いた時には、髪をぐしゃぐしゃにされた。

「髪が濡れたままだから襟が濡れてんじゃねぇかよ」

頭上のタオルはそのままで
優弥の手がパジャマの襟に触れた。

その手が今度は首元を直に触れた。

そこはキスマークがつけられた場所。

まるで確認するかのような指先の動きに
身体がピクッと強張った。


そんな私に気付いたのかはわからないけど
すぐに優弥の手が離れた。

カチッ

ブォーーーーッ


狭い脱衣所に響き渡るドライヤーの音。

頭にあったタオルが肩に掛けられ、
ドライヤーから出る温風が髪を揺らした。

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