長い梅雨が明けた日
中学に入る前くらいから、優弥は自分の部屋に私を入れてくれなくなった。
優弥の家に行くのは許してくれても
部屋には絶対入れてくれない。
蓮兄も中学生になると部屋に入らせてくれなくなったから理由を聞いた。
『中学生になったら男は皆、女を部屋に入れないのは当たり前だ』
そういうものかと訳もわからず納得した。
それからは"優弥の家"でなく"優弥の部屋"と言うようになった。
優弥の家だと私が一人でリビングでTVを見ていても誰も文句を言わない。
誰も気にも止めない。
幸ちゃんですら「来てたの?ゆっくりしてってね」で終わる。
無理だと分かっているから。
無理を言って甘える。
一人は寂しい、と。