長い梅雨が明けた日
「優弥…。ちゃんと考える」
ひとしきり泣いたあとどうにか声を出した。
「…決まったらちゃんと言えよ」
頭を撫でる優弥の手はいつの間にか優しい優弥の手に戻っていた。
「うん」
頷いて顔を上げると頬に触れた優弥の指がまた涙を拭ってくれた。
優弥の表情は今まで見た事ないくらいに優しく微笑んでいた。
その表情につられて頬が緩む。
頬だけでなく口も緩んだ。
「最初のキスが優弥で良かった」
言わなくてもいい本音が漏れた。
「おっ前…そういうこと……」
次に見えた優弥の顔は真っ赤になっていて
それでいて悪戯な表情になっていた。
頬の手に力が入ったと思った時には二度目のキスをされた。