長い梅雨が明けた日
「ゆ、優弥っ!!」
思わず思いっ切り優弥の胸を叩いた。
「グッ…、くっ…そ、理乃っ!」
「ゆ、優弥が悪いんだよっ…謝らないからねっ!」
胸を苦しそうに押さえて後退る優弥が
どうにか呼吸を立て直してキレた。
「お前のファーストキスなんてとっくに俺が貰ってんだよ!
もう何回目かなんて忘れたくらいになっ!」
「なっ、し、信じらんないっ!!」
まさかあの優弥が?
私が寝てる時にっ!?
「言っただろ。お前は隙がありすぎるんだよっ。俺ももう遠慮しないから隙があればまたキスするからなっ!」
「なっ…」
再び顔が真っ赤になったのは私の方。
「も、もう寝るから帰ってよっ!」
今度は優弥の背中をバシバシと叩く。
けど効果は無かった。
「寝つくまで添い寝してや」
「寝られるわけないでしょっ!!」
「チッ、言わなきゃよかった」
「いいから帰れっ!!」
これからはちゃんと安眠出来るか不安になった…。