長い梅雨が明けた日

「河野…」


声に出した途端に涙が溢れた


やっぱり河野が好きなんだ

河野じゃないとダメなんだ


ごめんね優弥

優弥からの告白よりも
河野のことを考えて泣くなんて

最低な女でごめんね



帰り際、宮下さんと並んで私達を見ていた河野の姿が頭を離れなかった


親しそうに宮下さんと話していた姿

河野の隣りにいたのが自分じゃない女の子


忘れたいのに忘れられない


これから何度同じ姿を見ることになるんだろう

そう考えただけで、楽しい部活も行きたくなくなった


恋がこんなに辛いなんて

優弥も同じ気持ちだったのかな


ごめんね優弥

ごめん

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