長い梅雨が明けた日

そんな時。


「白井先輩っ!」

料理が来るのを待っていた私を可愛い声が呼んだ。


あまり聞き慣れない声に振り向くと、その先にいたのは宮下さんだった。

「…」

彼女を見た途端に頭を過ぎった昨日の光景。


いや、違う。

現実だ。


宮下さんが私達に近づく姿。
その後ろにいたのは河野だった。


河野に気付いた瞬間目が合った。

反射的に視線を逸らして河野を見ないようにした。



見たくなかった

宮下さんと一緒にいる河野の笑顔なんて。





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