長い梅雨が明けた日
豊永は変なところで頭がキレる奴だ。
そのことを忘れていた。
単純に努力家タイプの優弥と違って、
豊永はそこそこ出来るタイプの奴だ。
それでいて周りをよく見てるから仲間の失敗をカバーしたり、敵の隙を見つけるのが上手いから司令塔向きだ。
だから二人がスタメンなのは納得出来た。
だから警戒すべきだったのに…。
いつの間にか俺も、理乃の近くに男が寄らなくなったことを安心してたのか…。
自分で言うのも何だが、俺は優弥と同じタイプだ。
ただ、バスケ向きな身長と体力がハマっただけで優弥ほど努力家ではない。
優弥と似たところがウマが合ってつるんでいただけ…。
…結構ヤバいのかもな…
豊永が俺を警戒してることを、良いように解釈した自分の甘さに苛ついた。