長い梅雨が明けた日

早目に手を打たないとな…。


そう思っていても豊永のように人を出し抜くやり方は俺には出来ない。

出来るのは正面突破だけ。 


それにはまず味方が欲しかった。


でも、かなり厳しいか…。

昨夜の神田の表情が俺を憂鬱にした。

俺が理乃に気付いた時、横にいた神田は俺を刺すように睨んでいた。

そしてすぐに理乃を連れて行ってしまった。


かなり誤解されてるよな…。

忠告してくれたのに裏切ったようなもんだよな…。

仕方ないけどダメ元だ。

神田に嫌われることになってもどうしても頼みたいことがあった。

自分に喝を入れて教室を出た。

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