長い梅雨が明けた日
言ってから失言だと気付く。
仮にも協力してくれた二人を前にして…。
「…ごめん河野。
主に私が迷惑かけてるんだよね…」
突然理乃に謝られた。
びっくりして理乃を見るが謝っていても俺の方を見てはいない。
申し訳なさそうに下を向いたままだった。
「…別にり…白井のせいじゃないだろ」
理乃のせいなわけない。
俺がそう誤解されるようにしてるんだから…。
危うく"理乃"と呼びそうになった。
これ以上、理乃に嫌な思いをさせたくなかったから"白井"と呼び直した。
それなのに。
「そう言えば、最近河野くんは理乃ちゃんのこと"理乃"って呼んでたね」
「琴美っ!」
理乃が突然慌てだした。