長い梅雨が明けた日

「…だよな。
俺も前に白井を"理乃"って呼んだんだけど嫌がられたんだよ。
だから名字呼びしてる。
でもつい"理乃"って呼ぶ時もあるからな」

「そうなんだ?
理乃ちゃん、なんで河野くんにそう呼ばれるのが嫌なの?」


俺の渾身の賭けを神田が拾ってくれた!

しかも理乃本人に話題を振った!?


「べ、別に嫌とかそんなんじゃなくてっ
…その時はまだそこまで河野と親しくなかっただけで…」


……。


「だったらもういいじゃん。
嫌じゃないんでしょ?」


……!?


「嫌じゃないけど…
慣れないというか…」

「そんなの呼ばれなきゃいつまで経っても慣れないよね?」

「私も神田先輩と同意見です!
先輩達は名前で呼び合う方が自然ですよっ!」


……マジか?

ってか、賛同されると逆に照れくさくて言いづらいな…

でもこのチャンスは逃さない!

< 309 / 346 >

この作品をシェア

pagetop