長い梅雨が明けた日



「美味しかったー」

サービスのティラミスもぺろりと食べた理乃は満足気な笑顔だ。


「本当に美味しかったよねー」

まだティラミスを食べてる途中の神田も笑顔で同意してくれた。


「優弥はまた昨日のお店かな?」

「多分な。
部活の奴等と帰って行ったから。
あそこは勉強しやすいよな」

「河野も行ったことあるの?」

「優弥と部活帰りに。テスト期間はサッカー部が集まるから無理だけどな」

「なんで優弥と二人だけなの?私が一緒の時にしてよ」

「理乃がいつも女子部の奴等と騒いで帰るからだろ」


飯を食うまでの重い空気は何処へやら。

いつもの理乃といつもの口調で会話する。


この数日、そんなことすら出来なかったから、たとえ理乃の愚痴でも会話出来ることが凄ぇ楽しい。

まだ慣れないのか、名前を呼ぶと一瞬反応が遅れるけど文句を言われることはない。

神田大明神様様だな。

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