長い梅雨が明けた日

「もしかして…
お前、俺の好きな子が宮下だとか勘違いしてねぇよな?」

「え?あ…うーん…ちょっとはそうかなぁと思ったりしたかな?」

俺の言葉に少し焦った理乃が誤魔化すように肯定した。

誤魔化してても正直に思ったことを言ってくれたのが嬉しい。


「あり得ねぇよ。
俺は中学の時から片思いしてんだよ」

俺も理乃にしか聞こえないように耳元で告白した。

そう言ったら俺を意識してくれるかと思った。


「中学?じゃあ…」

……意識してねぇな。

こいつ、普通に考え込んでるだけだ。


「もしかして…香菜?」

ボケたのか?

思わずイラつて理乃の頬を抓る。

「なんでそうなるんだよっ!」

いひゃい(痛い)!」

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