長い梅雨が明けた日

「お前ら、イチャつくなら帰ってからやれよ」

どこからともなく現れた小松。
空になった皿を片付けながら呆れて俺を見る。

それに気付いてすぐ目の前に座る神田と宮下を見ると、二人とも にこにこと笑顔で俺と理乃を見ていた。


「い、イチャついてなんかないっ!」

俺の横に座る理乃が言い返した。


でも。

言い返した理乃を見て
思わず俺は手で自分の口元を隠した。

ニヤける口を隠すため。


小声で話してたから、ベンチタイプの椅子に座る俺と理乃は気付くと肩が重なる程に密着してた。

それに加えて。
真っ赤な顔の理乃が恥ずかしがってるように見えたから。



……隠しきれてないか。

神田と目が合うとにこにこと笑い返された。

< 314 / 346 >

この作品をシェア

pagetop