長い梅雨が明けた日

「理乃ちゃん、せっかくだからここで一緒に勉強しようよ。河野くんがいるから数学みてもらえるよ」


食べ終えた皿を小松が全部片付けると神田が話を切り出してくれた。


『理乃が嫌がらないようなら一緒に勉強したい』

今朝、俺がそう言った事を神田が覚えていてくれた。

とはいえ俺より神田の方が成績良い。
普通に考えたら神田に教えてもらう方がいいだろ。

だからこれは正直期待してなかった。
ただ俺が理乃と話をしたいからそう言っておいただけの俺の願望だ。


「そうだね。私らがいた方が宮下さんと河野のこと、小松が誤解しないだろうし」


あっさりと願いが叶った。


「あ、ありがとうございますっ」

理乃の提案に宮下は喜んで礼を言った。

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